きっかけ

大学生の頃に、エフェクターは自作出来るらしいというのを知ってから、いつかは自作したいと考えて10年あまりが経った。
ギターのポットの抵抗やピックアップ交換は何度かやったことあったけれど、エフェクター作りはハードルが高く、やったことがなかった。
そんな折、自分の中で空前の電子工作ブーム(?)がやってきて、先日ジャンクションボックスを作った。今年の年末年始は休日が少なく出来ることが限られるため、元から予定していた家族旅行の他に電子工作に全振りすることにした。

Fuzzを作る

いきなり電子工作やるといっても、知識ゼロ、経験ゼロなので、難解なものを作ろうとしても失敗して途中で投げ出さざる負えなくなるのは目に見えている。
そこで、本を購入して、初心者でもいけそうなエフェクターを選ぶことにした。

この本はいかにも初心者向けで、パラパラとめくってみたら、初心者はこれくらい知っておけば音が出るまではいけるくらいのレベルになっていて、しかも取っ付きやすい文章を書く方が書かれていたので即決で購入した。
まずはここに買いてあった「World Wide Fuzz」を作成することにした。
本を見ながら作成したので、回路図的には特に工夫したというところは殆ど無いため、この記事では作り方は省略する。
今回の自作の際に失敗したことを中心に振り返りを書いていこうと思う。

塗装失敗

まず、一番最初にやったのは塗装。
全てを組み立てたあとだと塗装が大変そうなのは素人でも分かったので、穴あけをしたあとに塗装を行った。
最初に紙やすりを持ちやすいサイズに切って、手で頑張って磨いていったのだけど、これが大変に辛かった。手でもってやるもんじゃない。
汚れる、ずれる、綺麗に磨けないなど全くもって効率が悪い。
結局、1時間くらい頑張ったらめんどくさくなって妥協した。

あとで知ったのだけど、ハンドサンダーというのがあるらしいのでそれを使うのが吉。※100均でも売ってた。
そして、塗装はとにかく失敗の連続だった。
乾く前に触れてしまう、カラーの選択ミス、液垂れなど、よくあるミスを全て踏んだ。
塗装はとにかく根気が必要だというのがよくわかった。次は塗装しないかもしれない笑

穴あけ失敗

穴開けは前回のジャンクションボックスで学んでいたので、比較的にスムーズにいった。
マスキングテープで覆い、線を引く。そして、パターン定規で穴のサイズも指定する。また、100均で購入したクランプがめちゃくちゃ役に立って、しっかり固定した状態で穴開けすることができた。
ここまでは最高にうまくいっていた。なんなら自画自賛していた。

全ての穴開けを終え、何度か色を塗っていた際、同じようにエフェクターを自作している人のサイトを見て、mook本を見て悲劇に気がついた。

アルミケースの表裏を間違えていたのだった。

そのまま作ることも出来るけれど、表にネジを止めることになるのでデザイン上微妙だと思い、穴開けし直し&裏の穴はパテ埋めをすることになった。
また、焦りながら穴あけし直しをしたので、新しい穴は位置がずれてしまった。
ミスがミスを呼ぶという負のスパイラルを呼び出してしまった。ミスした時は落ち着くべきだというのは仕事で分かっていたつもりなのだけど。

LED ICチップ壊す

何故か自動で7色に光るLEDを購入していた。
これはICチップが入っていて、自動的に7色に変化する。

抵抗を繋いで7色に自動で変化したときは笑いが止まらなかった。
自分で光らせられると嬉しくて何度も光らせた。
そして、下の失敗につながっていくのだけど、LEDは光るけど音がならない問題があって、色々つなぎ直ししてたら自動で変化しなくなり、1色になってしまった。
ICチップが壊れたのかどうかはわからないけれど、多分チップがおかしくなって、変化しなくなったのだと思う。一応緑色には光るのでそのまま搭載した。

ジャックの仕様の理解不足

まず、LEDをつないだだけのシンプルなボックスの状態で、音出しをしてみたら音がならない。
注文表を見直してみたら、なんとスイッチ付きと書いてあることに気がついた。
私はどうやら、スイッチの方に配線してしまっていたらしく、全て反対側につないだら音がなるようになった。

あと、ケースにアースが落ちないプラスチックのジャックだったので、アースを別途配線する必要があった。
また、購入したジャックがPCBマウント向けだったので、半田付けが大変だった。ピンの先がPCBに突き刺さるようになっているので複数の配線材を半田するのに向いていなかった。
次はピンの先が穴の空いたタイプ、且つケースにアースが落ちるようなタイプのものにしようと思う。

3DPTスイッチのピンを壊す

3DPTスイッチは9つの小さな穴があるピンがついているので、最初に予備半田をしてから、各配線を通すようにすると簡単に半田付けすることができる。
しかし、先が潰れ気味でいてしかも焦げ付いていた半田ごてを使い続けていたことで、なかなか半田がつかない状態が続いた。そんな状態でスイッチのピン1つに熱を与え過ぎてしまい、ピンが一度半田と一緒に抜けてしまった。
慌てて元に戻したのだけど、今度は奥に沈み込んでしまった。

このままでも使えるかな?と思ってたけど、後にどう考えてもこのピンのせいで音がならない状態になったので、別のピンを使うようにしてなんとかなった。
これもあって元々持っていた半田ごてはお役御免とし、新しいものを買った。※元々30wのものを使っていて、(30wが駄目なわけじゃないだろうけど)電子工作で電子基板を扱うなら20wのものを使うと良いらしい。

ワニ口クリップが役に立つ

実はテスターをもっていなかったので、音が出なかった時の原因特定がとにかく大変だった。
しかし、どっかのサイトでワニ口クリップを使って音の変化を確認しているのを見ていたので、ワニ口クリップを購入しており、それを使ってなんとか一つ一つわかるようになった。

これが無かったら、もう暫くは悩んでいたことと思う。購入しておいてよかったものの一つ。

まとめ

完成写真。

製作期間は4日とかそれくらいだと思う。
音も構造上FuzzFaceと同じで、FuzzFaceのジミヘンファズに似ていて、とても良い。※せっかくなので塗装のあいまに持っているFuzzFaceの蓋を開けて回路をみたら、回路の配線の仕方はほぼ同じだったと思うので、最もオーソドックスな回路図なのだと思う。
色々と大変だったけれど、たくさんの学びがあった。
また、次も音が出る何かを作ってみたい。

おしまい。