はじめに

まだまだコロナはさかんだし、積極的に色々なところへ出かけるの控えるこのご時世。
とは言え、在宅で仕事をしていて一度も外に出ないと気持ちに滅入ってくるので、お昼は出来るだけ外に出て近場のランチに出かけている。
しかしもう長いことこんな生活をしてくると、近場も正直飽きてくる。
今年は何度松屋に通っただろうか…。

そこで、もう少し開拓しようと思い、保育園の送迎で活躍していた電動自転車でお昼に色々移動していたのだけど午後一のミーティングとかもあると時間の都合で結局遠いところは中々開拓が進んでいなかった。
バイクでとも考えたけど、バイクの駐輪場が運良くあればいいけど無いことの方が多い。

どうしようかな〜と日々考えていたところ、ある日の夜、ふとコンビニに出かけると最近巷で話題の電動キックボードが目に入った。
思わず所有者とおぼしきおじさんに声をかけてしまった。
おじさんも私と同様にバイク乗りだけど、2台目として電動キックボードを購入したらしい。
おじさん的にはめちゃくちゃオススメとのことだった。

改めて調べてみると、電動キックボードは近場の移動手段として最近注目されているらしいとわかり、調べてみることにしたのだった。
※なお、調べ初めたのは去年の夏頃だったような気が。

電動キックボードと法律の話

まずは、電動キックボードに関する制限、具体的には法律上の話から調べてみた。
法律から調べ初めた理由として、明らかに電動キックボードで違反的な乗り方をしている人が多いからである。
私の浅い知識でも、電動キックボードに制限があることは認識しており、下記のような記事も見かけるようになった。

電動キックボードで”危険運転” 危険車両が流通してしまう理由とは

しかし、その反面、規制緩和の動きがあるというのもわかってきた。

電動キックボード「ほぼ自転車扱い」に 免許・メット不要 一部歩道OK 新区分の乗り物へ

つい先日もこんな記事が掲載されており、都心部ではLUUPという電動キックボードの実証実験が行われている。

LUUP公式サイト

危険と言われつつ、こういった実証実験や規制緩和の動きになっているのがいささか疑問ではありつつも、色々見えてきた。
電動キックボードは、現行の法律上、速度に関わらず原動機付自転車の1種、または2種として扱われる。

端的に言えば、原付きと同じ保安部品が備わっている必要がある。
バックミラー、ウィンカー、前後独立ブレーキ、ホーン等に加えて、ナンバープレートの取得とヘルメットが必要である。
しかし、19km/h以下の場合は、ヘルメットやナンバープレートは必須なものの、保安部品は省略してよいものがある。

この実証実験では、特定の決められた企業が提供する場合に限り、近場の移動手段として速度を15km/hに制限してヘルメットを不要とするなど、現行法とは異なる形で実際に公道走行をOKとしている。

買ってはいけない「電動キックボード」の見分け方

非常に厄介なのが、この法律を守っていない電動キックボードが多数販売されている。
中華系では特に多く、ショップによっては公道不可と掲載されていることもあるが、公道可能と掲載があっても不備が発生したりする場合がある。
とある製品はそれで一度販売中止になった。

掲載されているならまだしも、曖昧な表現をしているサイトも多数あり、上記を理解していないと誤って購入をしてしまった人もいるだろうと思う。
※メルカリなんかで調べると公道走行できると思って買ったのに走行できないので手放しますなんていうのがちらほら。

それと、原付きなので基本的には歩道はNG。
電源を落としてもキックボード上に乗って歩道を走行することもNG。
この辺りはどうやら、電源がオンなのかオフなのかその判定が外からみて分からない所から来ている模様で、この辺りも変わりそうである。

「電源OFF」で電動バイクと自転車を切り替え、2021年初夏にハイブリッドバイク実現へ

glafit2の自転車モード

このモードが唯一搭載されているglafit2は人気がありすぎて、全く予約が出来ない。

また、置き場所として一番困るのが、アパートやマンションの駐輪場である。
実は法律上は125cc以下は駐輪場にもおいても問題ないとされている。

バイクを置きたい! アパート探しのポイントと駐車場がないときの対応策

しかし、原付きの場合、騒音やマフラーによる怪我等のトラブルを避けるため、許可していない所も多い。
事実、私が管理会社に聞いたところ、電動であっても原付きなので駄目ですと言われた。

個人的には、騒音やマフラー問題が無い上に場所も取らないのでなぜ駄目なのかは分からないが、単に自分たちの管理上のルールがアップデートされていないのだろうと思っている。
この辺りは新しいものなので、そういう所が追いつかないのは致し方が無い。

なので、実際には部屋に入れるなどの運用が必要となる。

電動キックボードの種類

部屋に電動キックボードを入れるとなると、どの電動キックボードでも良いわけではなさそうということが分かった。
以下は沢山ある製品を非常にざっくりと分類した表である。

電動キックボードのタイプ 保安部品 原付判定 重量 価格 バッテリー取り外し
最高速度19km/h以下 省略可 原付1種 20kg未満 5万程度 不可
最高速度30km/h以下 省略不可 原付1種 20kg未満 5万〜10万程度 不可(一部のみ可)
最高速度40km/h以下 省略不可 原付1種 20kg以上 10万〜20万の間 可能
最高速度50km/h以上 省略不可 原付2種 30kg前後 20万以上 可能

40km以上の場合、電動キックボードというよりはフルアシスト自転車になってくるものが多い。
キックボードだとタイヤの径が小さく、空気を入れないタイプのタイヤが多い。
そうすると、ショックが比較的ダイレクトになるので、椅子がついている場合もあるがあっても腰が痛くなるというのを電動キックボードの販売会社の人から教えてもらった。

試走

ここまでで色々分かってきたが、では自分にはどのタイプがあっているのか?
それを理解するためにはまず乗ってみないとということで試走してみることにした。

まずは電動キックボードタイプ

https://swallow-scooter.com/products/zero9

ツイートの通り、むかーしセグウェイに乗ったことがあるがあれよりも簡単な上に楽しい。

Zero9という車種は最高40km/h出る。
代わりに値段は12万程度、重さは20kg弱。
バッテリー取り外しは不可だ。

つぎに乗ったのがフルアシスト電動自転車タイプ。

値段は高いが、基本は自転車の形した原付きと同じ。
家には電動自転車があるが、フルアシストではない。乗り心地は同じだろうと思って乗ったが、うん全然違う。
当たり前だがアシストのレベルが違う。

電動自転車に乗ったことがある人ならわかるが、電動自転車は免許がいらないかわりにかなり制御されている。
走り始めはアシストが弱く、少し走ると最もアシストが強くなる。そしてどんどんアシストレベルが下がるのである。
そして、25km/hに達するとアシストがなくなる。

しかし、フルアシスト電動自転車は最初から全開である笑
そこそこ広い店舗の試走場でも最高速はもちろん出せなかった。
バッテリー取り外し可だが、14万程度。

電動キックボードを購入

色々調べたが、ハードルはそこそこある。
場所の問題、金額の問題、そして世間の目の問題である。

世間の目の問題に関しては、バイクとして乗る分には問題ないと判断した。

私は250ccのバイクも所有しているので、速度が出るものはいらない。
しかし、そうなるとバッテリー取り外しができず、駐輪場の問題で部屋に持ち込みする必要がある。
そうなるとフルアシスト自転車は必然的に選択肢から外れた。
置いといても分からないと思うが、管理会社から突っ込まれたら面倒なのでそこは諦めることにした。

かといって14万もそこそこ高い。それなら新しいPCが欲しい笑

どうしたものかーと悩んでたところ、長らく入荷待ちになっていたexs1が購入できることが分かった。

https://exs.mobi/exs1.html

公式サイト引用:exs1

最高速度は25km/hでバッテリー取り外しは不可。
重量は16kgだが、値段が5万だった。

もう長らく半年くらい悩んでそろそろ疲れてきたので、ポチることにした。

到着

購入してから数日。すぐに到着した。
組み立ては30分くらいだろうか。
本体の剛性は申し分なさそうで、早速軽めに駐車場で乗ってみたがやっぱり楽しかった。
そして、重さや速度なんかも散々検討しただけあって想定通りだった。

ナンバープレートと自賠責

ナンバープレートを早速区役所に申請しにいった。
区役所は通常17時で終わるが、事前に申請しておくと、少し遅い時間でも対応しくれるということが分かった。
必要なものは販売証明書と、車体番号と免許証のみで良かった。
おそらく車両がなにかあったとき、違反したり盗難にあったりした際に持ち主を特定する意味も込められているように思った。
盗難されるとナンバープレートは違うものになるだろうけど、車体番号を削ったりされない限りはそれで特定できるのであろう。

申請は20分程度。
ナンバープレートを発行することがあったときは前から決めていたが、キャラクターものを選択することにした。
練馬区の公式キャラクターのねり丸である。
昔は、銀河鉄道999のメーテルが選べたようなので、それは残念だったがまぁ良しとした。

つぎに自賠責。
これはコンビニでできる。
昔私が学生のときにバイトしていた頃から始まったと記憶しているが、ファミマのファミポートで申請できる。
家の近くのコンビニにいったら、アジア系のバイトの人で大丈夫かな?と思ったけど、彼は優秀だった。
迷いながらも、自賠責が何かわかっていたようで、すぐにシールを出してくれた。

レジでの手続き後、あらためて複合機で自賠責の印刷が必要である。
なぜレジのプリンターで印刷されないかがわからないが、住民票とかも複合機なので、複合機だけが公的機関との通信が可能なのだろうと思う。
そこで正しい申請がなされると発行されるようだ。
こちらも手続きは10分程度で済んだ。

乗車

満を持して、それらをセットアップして乗車することに。


※写真は保安部品を一部セットアップする前

もちろんヘルメットをかぶって、免許証を持っての公道走行だ。

まず、立って走行するのが非常に気持ちいい。
速度も25kmというのは自転車と変わらないのでこわくもない。
その上、自転車と違うのが比較的20kmくらいまではそこそこすぐに出るという点がある。(ロードバイクは例外だと思っている)
春になったらきっととても気持ちいいだろうというのがわかった。

遠出するならバイクや車を使えば良い。
これは近場の乗り物としては最高のモビリティだ。

乗って気がついたこと

まず、先述の通り、25km/hまで比較的早々に出るというのが大きい。
安全機構が働いているため、乗っていない状態では勝手に走らないようにアクセルを回しても動かず、少しキックして前に進むと加速し始める。

自転車と同時に出た場合、交差点などで捕まらなければ、圧倒的に電動キックボードの方が速い。
しかし、25km/h以上でないので、電動自転車が追い抜けないのには笑った。
全然知らない人にギリギリ追いつき、ギリギリ並走しかけてしまうのである。

でも、スピードが出ないということは無理をしないことでもあることがわかって、無理に抜かないようになったのはとても良い経験になった。

近くに幹線道路があって、最初は避けていたのだが、むしろ幹線道路なんかのほうが道路が広いので恐くないことがわかった。
端っこに25kmくらいで走っていると、車側も普通の速度で追い抜きができるからだろう。
これは盲点だった。
変に30km/hとかで走っている方が車側もそこそこの速度を意識する必要があるだろうが、そうじゃないことがわかったのは大きい。
結果的にどの道も普通に走れる。

個人的に一番混乱したのは、2段階右折だ。
3車線での右折時は基本は2段階右折が必須だ。

原付の二段階右折のルールと方法

バイクに乗り慣れているが、2段階右折はやったことがなかった。
いまだにこれは混乱する。
なぜなら場所によっては2段階右折が禁止されている場合もあるからだ。
しかし、電動キックボードで右折待ちは勇気がいる。
速度も出ないし心細さもある。

暫くなれるまでは、怪しい右折のところは、電源を落として電動キックボードを押してあるくことにしている。
逆に言えばそれができるのは、電動キックボードの良さでもある。

また、駅近くの駐輪場が普通に使えるのも助かる。
原付きだと自転車と同じように2時間無料とかで利用できるし、電動キックボードだと駄目と言われることもなく、むしろ自転車と同じ場所に止められたりする。

前後独立ブレーキについては良くも悪くもある。
25km/hからならリアのフルブレーキでしっかり止まる。
速度もその程度なのでディスクブレーキはよく止まる。が、リアがロックしてスライドするのはびびった。
たかだか10インチのタイヤなので、フロントを優先しつつ、余裕持ってブレーキングしないとコケてしまうであろう点は注意点だ。

感想

まだまだ乗りはじめて日が浅いが、電動キックボードは楽しいモビリティだ。
当初の目論見通り、少しづつお昼に遠出して気が向いたら開拓するようにしている。

街を見かけるとヘルメット無しで明らかにナンバープレートをせずに、危ない運転をしている人を沢山見かける。

なぜ日本で珍しく電動キックボードの規制緩和の動きになっているかは分からず、ノーヘルに関しては個人的にはとても疑問も持っている。
信号無視や歩道走行なんてのはもってのほかである。

ただ、しっかりと法律だけでなく、安全運転を心がければ大変に便利な乗り物である。

便利の判断基準は人によるだろうけど、乗り物全般に言えることで危険と便利さは常に表裏一体なので、便利な乗り物を使ってそれを享受するのであれば、運転者は危険回避のための行動は必須である。

この辺りはバイクと同じ、初心忘れるべからず、他人にも自分にも安全を最優先して便利に活用して楽しんでいこうと思う。

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