概要
最近、Auroraのインスタンスサイズを下げようと検討しているインスタンスがあったので、購入済みのリザーブドインスタンスから試算することになった。
そこで、Aurora、およびRDSのリザーブドインスタンスの知識として、知らなかったことがいくつかあったのでその記録。
結論
- RDSには柔軟性の考え方がある(Auroraも該当する)
- インスタンスファミリーが同じ場合に適用される
- 柔軟性は小さいインスタンスクラスのインスタンスから適用される
RDSには柔軟性の考え方がある。
RDSのリザーブドインスタンスを購入する際の基本知識として、柔軟性の考え方がある。
新規および既存の RDS RI すべてにおいて、同じデータベースエンジンを使用する DB インスタンスファミリーの任意のサイズで使用量に応じた割引が自動的に適用されます。RI ディスカウントの割引はまた、同じデータベースエンジンおよび DB インスタンスファミリーのシングル AZ とマルチ AZ の両方の設定で使用量に応じて適用されます。
これがどういうことか説明する前に、RDSのインスタンスにはクラスごとに正規化係数というのが定められている。
2017年10月以降、RDSのインスタンスサイズが異なる場合でも、購入しているリザーブドインスタンスが適用されるというもの。
公式サイトの例でみると、もしt2.mediumのリザーブドインスタンスを購入している場合に、t2.mediumではなくて、t2.smallが2台でもリザーブドインスタンスが適用されるということである。
この場合、シングルAZだったとして、t2.mediumの正規化係数は2であり、t2.smallの正規化係数は1であり、それが2台なので購入済みのリザーブドインスタンスの正規化係数と同じになるので、追加でオンデマンド費用は発生しないこととなる。
これは、リザーブドインスタンスを最初に1つ購入したものの、あとからインスタンスサイズを下げて2台に冗長化するといった場合でもリザーブドインスタンスが無駄にならないようになっている。
インスタンスファミリーが同じ場合に適用される
これは同じインスタンスファミリーにしか正規化係数は合算されないので、t2.smallのリザーブドインスタンスがあっても、t4g.smallには適用されず、そのままオンデマンド費用となるということ。
インスタンスファミリーに関しては、リザーブドインスタンス購入後は諦めて同じものを使い続けたほうが良さそうだ。
柔軟性は小さいインスタンスクラスのインスタンスから適用される
最後のこれが中々理解が難しかった。
例えば、下記場合にどうなるか。
例: 購入済みのリザーブドインスタンスは以下となる(いずれもシングルAZで同一インスタンスファミリー)。
2xlarge x 1
正規化係数は16である。
次の場合に、下記インスタンスを所有するとリザーブドインスタンスの適用はどのようになるか。
2xlarge x 1
xlarge x 1
まず、2xlargeのリザーブドインスタンス16から、xlargeの1台分8が引かれて残り8となる。
次に、2xlargeのリザーブドインスタンス8から、2xlargeの1台分16のうち8が引かれて0となる。
残りの2xlargeの正規化係数8については 2xlargeのオンデマンド費用
として請求される。xlargeの1台のオンデマンド費用ではないところがミソである。
まとめ
試算しているときに請求書をみていたら、なぜか追加購入していないはずの一番でかいインスタンスサイズのオンデマンド費用が発生していて疑問に思って調べてわかった。
特に最後のところは、AWSサポートにも確認して、認識に違いが無いことがわかった。
期初にリザーブドインスタンスをぴったりで購入したあとに、追加で低いインスタンスサイズのRDSを購入したからそれだけオンデマンドになるだろうと思ったら、そうじゃないので注意が必要。
また、柔軟性を知らないと、リザーブドインスタンスの期限が切れるギリギリまで待たないと、インスタンスサイズが下げられない!と勘違いをしてしまうかもだが、正規化係数によっては損をしない可能性がある。
これからインスタンスサイズを下げたいな〜と思ってたり、RDSの請求書に追加購入していないのにオンデマンド費用が発生していたら、このあたりを確認すると良さそうです。
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