概要

AmazonConnectでコールセンターを提供したいと考えた場合、幾つかの設定を変えないと、そのままでは意図しない英語のメッセージが流れることがあります。
Connectではデフォルト設定ですぐに始められるようになっている分、自動的に流れるアナウンスや英語設定のままになっているところがあります。
そのため、日本語で対応をしたい場合の初期セットアップをメモしておきます。

顧客キュー

単純な日本語分岐でループなどを考えない一方通行のフローでしたら、問い合わせフローエディターで一番最初に 音声の設定 でMizukiかTakumiを選べば日本語になります。

しかし、一般的にコールセンターであれば対応出来るメンバー(AmazonConnectではエージェントと呼ばれる権限)は人数が限られ、その人数を超えた場合に問い合わせがあると待機状態になります。
AmazonConnectではこれを顧客キュー という名前でループさせることが可能です。
デフォルトでは、顧客に対してキューに入ると一度 英語 のアナウンスが流れてから軽快なメロディーが流れ出します。
Thank you for calling. Your call is very important to us and will be answered in the order it was received.
と聴こえたら Default customer queue という顧客キューのキューに入った状態です。

英語が突然流れてきたら顧客は驚いてしまいますので、下記手順で新らたに顧客キューを作成してあげることで英語を流さないようにする(または日本語アナウンスにする)ことが可能です。

まず、Connectへログインして、問い合わせフローエディターのルーティングから問い合わせフローを選択します。

次に「顧客キューフローの作成」を選択します。なお、このプルダウンの選択を間違えるとあとから変更が出来ないのでよく見て選択しましょう。

顧客キューフローで必須なのは エントリーポイント→プロンプトのループ→エラー時の処理→終了 です。
プロンプトのループでは幾つかデフォルトで選択できるwav形式のファイルがあり、そこから待機音楽が流せます。
もしも、キューに入れる前に 現在混み合っております 的なメッセージを流したければ、ここで一度プロンプトの再生でテキストメッセージを流してからループに入れるのが良さそうです。

ここまできたら、後はメインの問い合わせフローをエディタから開き、対象のキューにセットしたい箇所でセットします。
今回は分岐を入れていませんが、顧客の押下したボタンの番号に応じて、キューを分けることが可能です。
分岐の後に顧客キューをセットするのが良さそうです。

ここまで実施すると、簡単な問い合わせフローが日本語で設定出来ます。
分岐先にLambdaを設定したり、Lambdaが返した戻り値をそのままConnectで流すことも可能です。

まとめ

昨年、とある業務で簡単なフローはAmazonConnectで作成できましたが、コールセンターのフローまでは未検証でした。
今回ちょっと検証してみたことで、小さなコールセンターであれば対応できる人さえいれば、数日以内には作成できてしまうでしょう。
他にも、Lambda連携をすることで、プログラマブルに電話をハックすることが出来て大変面白いツールになっていますし、メッセージもAmazonPollyがデフォルトで対応していて日本語にも対応しているため、若干機械音声ではあるもののテキストを自動音声でそのまま読み上げてくれます。(英語は流暢に聴こえます)
大変便利なツールなので、是非試してみてください。